2011年5月6日金曜日

《展示》波


もう2年も経ってしまいましたが、
前回告知していた展示の風景を整理してみました。


原宿のデザインフェスタギャラリーの中でも小さめの部屋を借りました。
結構きつきつ。
たくさんの人は入れなくて混雑することもありましたが、
見た目にはちょうどいいサイズでした。

当時のパンフが出てきたので1つずつ説明してみます。




《波》映像編集:吉田悠 映像素材:工藤薫、高嶋友唯 空間構成:高嶋友唯

後ろの傘3つが《波》です。 傘に映像を投影しています。
素材としては展示のイメージに合わせた動画(友唯撮影)と、
実際に展示に使用した写真(工藤撮影)を使用しています。

傘を通り抜けてちょっと壁にも映ってしまった。。

映像投影のために部屋の中は全体的に暗めです。






《sunset》高嶋友唯


上にある穴から中をのぞきます。
赤く塗装されていて、アクリルを重ね、赤い糸を通してあった...気がする。笑
制作者じゃないのでいまいちよく覚えてなくてすみません。
箱の底から光を当てて、夕焼けのビル群を表現していた...はず。笑




《ただ「そこにある」ということ》工藤薫


以前《ひと》というタイトルでblogに載せてた写真です。
もっと貼りたいのあったんだけど、場所が足りなかった。。
そのうちblogで載せます。



男とか女とか、そういうのわからない写真を撮りたいと思ったのがきっかけでした。
そのために男女一人ずつモデルを立ててみました。
男のモデルは展示にも参加している吉田悠です。

衣装等はモデルに合わせて選びましたが、
東南アジア系の服の方が性別があいまいなのも理由の1つ。

撮影の際に気をつけたことは、男女の特徴を消すのではなく
「あいまいにする」ということです。

意識的に特徴を消したら、ただの男装女装になってしまうので。
なので胸を作ったり潰したりもしてないし、
よく見えないとは思いますがヒゲも生やしたままです。

2人を良く知る人(友人、家族)も結構来てくれたのですが、
わからなかった、と言われたのは嬉しかったです。

額はダンボールで作りました。
以前からやってみたかったので実行できて良かったー。
でもかなり地道な作業で苦労しました。笑

写真をボンドで貼らずにスプレーのりで貼れば良かったな。





《Experiment for Animeted Graphic Score》吉田悠

この完成形を見た人が何人いるのか。。笑
実はこの状態になったのは展示開始から5日目くらい??
初日は1枚あったかどうかぐらいだったはず。
まあ、間に合わなかったんですね!笑
そもそもこの展示にこの作品出すことになったのも
課題に出せなかったからとかそんな理由だったような。笑

いわゆる図形楽譜、です。
以下パンフレットからの引用。

「より豊かな表現や偶発、即興制のために開発された「図形楽譜」を
楽譜としての目的にとらわれず、ユーモアにとんだデザインとして解釈した。
自作曲。」

曲は初日から聴ける状態で、楽譜が少しずつ増えていきました。


中にiPod Touchが入っていて、横のヘッドホンで聴けるようになっています。


ちなみにこの作品はのちに映像化して、
イメージフォーラム•フェスティバル2010で優秀賞を受賞、
バンクーバー国際映画祭で招待上映されました。

そういう作品と一緒に展示できたってのは嬉しいけど、
正直ちょっと悔しいな。
でもそういう刺激があるってのは良いことだー。
悠おめでとー!




《記憶の中へ》工藤薫



以下パンフから引用。

「私の視点が私の記憶。
 ここにあるのは私の記憶。
 
 あなたの視点があなたの記憶。

 あなたは何を視てますか?」



この作品は構想期間3年...というとすごい感じですが、
ずっとやりたかったけど実現方法がなかったものです。

鑑賞方法は、まず傘の中に入って椅子に座ります。
上を見上げると写真が貼ってあるので、
吊るしてあるマグライトを使って自分が見たい箇所に光を当てます。

中はこんな感じになっています。
実際はかなり薄暗いのでライトをつけないとよく見えません。

私個人としてはあんまり作品の説明をするのは
鑑賞者の印象を限定してしまうので良くないと思っているのですが、
もう終わった展示のことなんで書いちゃいます。

わざわざこんな形の鑑賞方法を取ったのは、
観る人に「頭の中の記憶を見る」という行為をしてほしかったからです。



傘の中は私の頭の中。
傘の中の写真は私の頭の中の記憶。
写真1つ1つに光を当てるということは
私の記憶1つ1つに光を当てるということ。

写真=視点=記憶なので
私の視点から写真を見ないと記憶を見たことにはならない。

写真が貼ってある全体を見るのではなくて
1枚1枚を選択して見ていただきたかったのです。


人が入ってるとこんな感じ。
結構狭いので、欧米の男性が来たときにはちょっと申し訳なかった。。笑

外国の方の反応が良かったです。
光を当てて観るというのが気に入ったのかな。
あと動物の写真を褒めてくださる方が多かったです。

感想の中で印象的だったのは、
「普通の展示は、展示してある通りにただ受け手が観るだけだけど
これは受け手が観るものを選択するというのが新鮮。」
という言葉です。

もともとこの作品の構想は
コンテナ1つ自由に使って良いというアートフェスタがあって、
そのために考え始めたものでした。
最初はコンテナの中全面に写真を貼るつもりだったのですが、
それはさすがに難しいなーと思ってちょっと横に置いといたのです。

結果としてこういう形になったのは表現として良かったと思います。





最後になりましたが、
これらの作品を作るにあたって協力してくれた麻里、未緒
ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

そして一緒に展示を作り上げた友唯、悠
個々人の作品は個人作業だったけど、
展示を開催するまでの段取りや空間デザインetc
2人がいなかったらこの展示はほんと実現できなかった。
2年も経って今更だけど。笑
ありがとー!!!

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